| ネタバレ注意。 当作品は特に、作品を楽しみたい方は視聴前に当記事を先に見ないでください。 |
2022年米国公開、2023年日本公開。昨年2023年YouTube等で新作として宣伝映像を見ていて大変興味がありましたが、Amazon プライム・ビデオに会員無料で登場していたので観てみました。

当作品イメージに影響を与えたという実在の625m カリフォルニア KXTV / KOVR タワーの天辺付近。写真の一部を拡張加工しています。合法使用。
FALL/フォール
| FALL/フォール | |||
| 原題 | Fall | ||
| 年 | 2022年 | 国 | アメリカ |
| 時間 | 107分 | 監督 | スコット・マン |
| 出演 | グレイス・キャロライン・カリー / ヴァージニア・ガードナー | ||
個人評価: ★★★★★★★★★★ (10/10点)
まさかの満点、最高傑作
シンプルな題材の中、宣伝映像で既に見どころを結構見ていたので想像はでき楽しめるかちょっと心配でしたが、観てみるとそこからさらに広がりがあり最高傑作でした!
この前に観た映画「ラスト・ディセント ナティ・パティ洞窟事故」もたまたま2人でスタートしたサバイバルモノという似たカテゴリーでしたが、雲泥の差でした。
映画でここまで手に汗握ったのは初めて
当然、全て特撮だと解っているわけですが、高所の緊張感をしっかり感じました。特に片手ぶら下がりはピークですね。ホラー映画が平気な私にとってこのハラハラ感は嬉しい作品でした。
この作品は、実際に高所侵入系YouTuber等がいてやってる人がいるという事を知っているインターネット世代はリアリティを持って観る事ができると思います。それを知らない人には「片手ぶら下がり」はもとより、「こんな所に登るとか絶対ない」と映画全てがフィクションでしかない感覚になるかも知れません。信じられないかも知れませんが登る建造物の高さと頼りなさは当作品に敵わなくともこのような危険行為をしている映像配信者は実際にいます。
映像
初めから高精細で美しく気になる事もほぼない映像でストーリーに集中できました。
塔の上で女子2人の髪が風で激しくなびきますが、クロマキー合成を感じさせません。実際の空をバックにしている事が多いのでしょうか。スクリーン前撮影でしょうか。俯瞰画面で背景が地上になるほんの一部のシーンでクロマキー合成を感じるところがあります。やはり違います。この特性が分かるチームにより的確に撮影がなされたと思われます。
見事な設定
さまざまな設定が見事です。
- 主役ベッキー(グレイス・キャロライン・カリー演)はハンター(ヴァージニア・ガードナー演)に強引に誘われ嫌々ながら登るという弱い立場。視聴者が共感できます。
反対にハンターは慣れた立場。2人を危険地帯に追い込むのに必要なポジションです。 - 物があまりない空間の中、新事実を(ちゃんと映像で)知らされるスマホというアイテム。
- 下に停めた自分らの車は助けに来たと思わせた男らに盗まれます。→ また別の他者が再び車を見つけてくれたらという希望を奪います。
- より危険なチャレンジをできるのはハンターの方ですが、手をケガしたので(結果的に本当はこの時点で既に亡くなっている)、主役ベッキーが塔の1番天辺(高さが象徴的な塔の中でも最も高い場所)に到達します。
これは主役2人が象徴の船首にも船尾にも立った「タイタニック」と似た美学です。
ダンとハンターの死
初見で「夜にハンターが死んでいる悪夢」を見た時は、どのイベントがどの時間帯にあったと明確に理解していませんでした。結構衝撃的なドキッを挟み込んできたな、骨太ホラーだなとだけ。
しかし改めて確認すると、その時点で既に亡くなっており、ベッキーは昼に下のアンテナで死んでいるハンターを目撃していてそれが脳裏に焼き付いていた、またはこの夜に改めて下を覗いて、それが同フロアに幻として現れた状態だったのだと思われます。
このようなホラーポイントにいたるまで、取ってつけたムチャなものでなく、シリアスでリアルな設定だったのです。
「ベッキーがハンターを引き上げきれるんかい。まあ映画だしね」というわずかなツッコミもその後に出てくるハンターの死の判明と亡霊の言葉を持って潰します。
ハンターの死が視聴者に明らかになる直前雷が光り、ハンターは「ここから見ると きれい」と、わざわざ変な事を言います。ハンターは天から雷を見ているのかも知れません。
そしてここまで登場人物の死を惜しむ映画もなかなかないです。
このように死ぬ事が惜しく、命の重みを感じる映画が好きです。
最愛だった夫ダン。亡くなっても依存して振り切れずにいた。
実は不倫でダンを愛していた親友ハンターの死。
ハンターはベッキーの分身だったように思えます。
ベッキーはその2人の死を糧にして強くなって救助されます。
欠点(ダウト)
ほぼ完璧な映画だと思っていましたがダウトに気づきました。
がっかりさせますごめんなさい。作品の根幹に関わるので今からでもがっかりしたくない人は下を読まないで。
塔の設計は色々とツッコミどころはあると思いますが10歩譲るとしても、2人が取り残された最上階フロアからさらに人が登り棒をしないと届かない位置にある航空障害灯。この設計は絶対にありえませんね。なぜあの2人が取り残されたフロアがあるのかって、航空誘導灯の電球を交換するためでしょう。それが手が届かない位置にあるのはあり得ない。
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