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ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 レビュー
★★★★★★★★★★
自分のトラの写真と星空の写真で本作風(笑)
「あえて実写にこだわった(やっぱCGだと判っちゃうから)」「これは撮るのが大変そうだ」というのを評価基準に入れる時代は終わったのか?
ここまで来たかという感じです。まあ「2012」でも感じたんですけどね。
動物がここまで本物と見分けがつかないのは凄いです。
トラの3DCGが凄過ぎます。準主役につき、めちゃくちゃ力を入れているんだと思います。
正直その他の魚などは3DCGを感じたりしました。同じCG制作チームの作った同じ作品内におけるモデルでも人が造形する事なので、精巧な物とCGと判ってしまう物とが出てきます。オープニングの動物園の動物もいくつかCGなんだろうな。でもじっくり見せる所なのでオープニングもトラと同じレベルで精巧だと思いました。…もとい、すみません。自信ありません。オープニングの動物もどちらか判断できません。遂にホンモノが作れる時代に突入したのですね。
今の時代でも映画によって差が出ています。CG制作チームの技術・かけられる時間・上手く分担作業ができたか(≒予算)などで違いが出るんだろうと思います。
当作品に賞賛のコメントを寄せている、僕の大好きなジェームズ・キャメロン監督の「アバター」のアニメ臭さっぷりは残念でした アバターでもいつもの超こだわりっぷりが宣伝されていたけど、そう言う割にこれかいと。頭と時間を“役者とCG連動システム”みたいなのとかに回し過ぎたかな。ライフ・オブ・パイより後、去年に公開された「猿の惑星 : 新世紀」もCGが“判って”しまいます。これはトレーラー見ただけですが。
何だろう…
バカになって観ないといけない映画かも
最後まで“CGの精巧さを視る”というのが抜けない映画でした。映画としてはそれを忘れさせないといけない訳で、この映画のストーリー・感動させる力がそれまでと言えばそれまでという事なのかも知れません。その部分でマイナス2です。
シンプルな設定に、これまでの自分の映画観・評価の仕方が揺さぶられる作品
原作小説どんなんなんだろうな。ずっと、ほとんど舟の上の漂流の話なんです。これ小説で読んで面白いんだろうか(爆) 映像化が非常に意義のあった原作だと思います。しかも、この映像美と精巧さを持って作品が作られたのは、本当にこの原作の完成形だと思います。シンプルでタンパクなストーリーなんです。大海原にある小舟に寄り添う画。ある種風景がずっと変わらない。それに巨費と労力と最高の技術で挑むのは勇気のいる事だと思います。準主役のトラが変だとオシマイだし、次々と現れる美しい自然の風景が変でもオシマイです。圧倒的「画」で見せないといけない原作なんですよね。この技術力とこだわりを持って作らないといけない原作で、本当にこの原作にとって最高の映像化になっているんだと思います。
トラが小舟で一緒、暴れる、嵐に遭う、痩せこける…
絶対この技術力じゃないといけなかった、過去には作れなかった映画です。
「南極物語」とかって、少なからず絶対犬虐待してますよね。昔の映画だし。
今はあんな事絶対できないし、そもそもトラとオランウータンとシマウマとハイエナを激しく揺れる小舟に乗せたり大波に放って撮影するのは不可能。
昔の映画って、過酷な環境や、体力的に大変だった撮影というのも、その映画の評価に反映させましたよね。個人個人の感情的にも公的な評価でも。アクション映画とか。ジャッキーが大怪我覚悟で挑んでいたり。だから特撮補助だらけのアクションでストーリーはスカスカの「ラッシュアワー」(3しか観てない)にはジャッキー映画としてはがっかりします。
アニメを観るのと同じになったのか?
激しいアクションや巨大建造物が登場するのも、素朴な静かなものでも、制作労力と制作費はその内容に全く比例しないアニメーション。“画の感動”はその絵の丁寧さや画面でどれくらい複数のものが動いているか凝り方だったりします(よね? 僕はアニメ大好きじゃないけど、アニメ好きはアニメ内で金がかかってそうな巨大建造物など見たら素直に感動したりするかな)。近年の実写大作はそれに近づいてきた感じがします。素人が(プロでも)その映像をパッと見では、どれくらい“頑張ったのか”判断できないハイクオリティ映画だらけになりつつあります。
当作品のBDにはメイキング映像も入っていたので、それも一気に観てしまいました。
当作品は、体力的にも撮影的にも非常に過酷だったようです。そんな訳でやはりアニメと全くイコールとはならないですね。色んな要素、色んな会社、色んな仕事、そして役者の演技力と努力と体力の複合が総合芸術と言われる“実写映画”になる訳です。
映画の観方を考えさせられる映画でした。
【追記 July 20, 2015】
ふと、他のレビューを探してみました。
ライフ・オブ・パイ考察と感想~作品に込められた隠喩の数々~【映画レビュー】 【 PATRIK TIMES 】
では、どちらの話が真実か。劇中では、明確な答えは提示されない。しかし、想像するには十分な情報が与えられている。殆どの人が、二つ目の話が真実であり、一つ目の物語は真実を基にした虚構だったと受け止めたことだろう。自分もそのように思う。
えっ。そうなの…?
僕は事前知識のない状態で一生懸命全身で吸収しようとしましたが(僕のレビューにはそれが表れていると思います(笑))、そう思えませんでした。
そもそもなぜ2つ目の話をしたのか(原作としてその流れにしたのか)理解できませんでしたもん。
何というかな。2つ目の話もパイがしっかり力説してるんだけど、全然入ってこなかったな。1つ目の物語は圧倒的ビジュアルでこの作品のメインで描かれていて、2つ目の話は喋ってるだけ。自分の中にある“映像力学”として、悲しい真実という意図が入ってきてませんでした。
↓コメ欄での3. No Nameさんへの返信でも、僕の理解できてなさが表れていると思います(笑)
色々暗喩があるんだな〜。凄いっす。
知識(裏話が解って)ないとムリムリ。
自分が自分の力で本作品を観たファーストインプレッションより、良い作品そうです。
コメント
コメント一覧 (4)
映画の趣味合いそうだわ
おお! 嬉しい。
観ていいかもオススメ
というと?
2つ目のパターンの話か。
パイ本人は、聞き手の小説家の人に「どちらが真実でしょう」みたいに言ってたね。
あの2つ目の話もリアルに喋るシーンの意図がよく解らなかった。ただの作品内の面白さと起伏か?
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