鉢呂経産相:失言 福島「ふざけるな」「くだらない」の声 - 毎日新聞 2011年9月10日
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「一刻でも早く戻って来れるように」



政治家さん達、お偉いさん達が、(避難中)汚染地域住民との対話でよく使い、
汚染地域住民もまた、願いのニュアンスとしてよくおっしゃられる一言です。

しかしこの一言の方が、「死の町」発言なんかよりある種厄介と申しますか、妥当な意味合いでも取れるし、勘違いの政治家・住民に間違って使われている感もあります。

いやもとい…、
「一刻でも早く戻って来れるように」
は、いかなる趣旨においても使われるべきではなく、代わりに使われるべき言葉は
「いつか戻れるようにしていきたい」
「いつか戻りたい・帰ってきたい」

でしょうか。



「いつか戻れるように」全力でスピード感を持って、原発沈静化処理、土壌処理をしていかなくてはなりません。
「いつか戻れるように」祈りたいものです。

しかしこれは、「まだか? まだなのか?」「もう大丈夫?」(ソワソワ)という時間スケールではありません。長期化を認めないといけない事なのです。

そして確実的な具体的な浄化(避難地域に住める)時間は誰にも出す事はできません。
それが出ないという点で政治家、関係者幹部を問い詰めてはいけません。出ないものは出ないのです。
ただ全力で制定・指令・処置・処理に当たっていただくのみです。



そして、「いつか戻れる日」が来るまで、避難地域住民は
しっかりがっつり逃げなくてはいけません。
地域住民が政府に問い詰めるべきは、「もう帰りたいんですけど」ではなく、避難等費用の補償です。



「(長期に渡り)捨てないと(避けないと)いけない町(地域)」というのを認めないといけません。

●人が住んでない町=ゴーストタウン=「   」
●恐ろしい物質(いわゆる死の灰)が蔓延している
●誰でも近寄りたくない
●まあ、一言で「汚染されている地域」 …etc.

「死の町」表現は妥当です。



確かに政治家が「死の町」というのは乱暴かも知れませんが、「長期に渡り、捨てないといけない地域」という認識で対処を進めないと、“対国民・国会含め”、いつまでもネジレと、矛盾発言と、それへのくだらない揚げ足取りが続き、進むものも進まないと思います。

上に書いたように、政治家の多くも失言追求へのビビり、地域住民感情のお伺いから、「長期に渡り、捨てないといけない地域」という趣旨の明言をまだ聞いた事がありません。「早く帰れるように」という趣旨ばかり。ある意味今回の「死の町」が初でしょうか。



細野大臣「汚染物の最終処分場は福島県外で」「痛みを日本全土で分かち合うことが国としての配慮」
といったビックリなプランも、同じ勘違いと、間違ったビビり・正義感からきている部分が否めないと思います。
その地域には恐ろしい物質があるという事実、それをできるだけ拡散させないという正しい処理を貫かないといけません。



「原発現場処理作業員はどういう気持ちになると思ってるんだ!」
「原発現場処理作業員はその場にいるがどうなんだ!」
→危険な物質の蔓延している、多くの国民が行きたがらない現場で頑張って下さっている、勇敢な方々です。世界のヒーローです。防護服などでできる限り放射性物質を防いでいます。


事実を認識し、恐れず発言し、共有した上で前に進まないといけないと思います。



なお、この発言の文脈は判りません。あくまでも「死の町」という言葉について書きました。
(記者に防護服を擦り付け)「放射能をつけるぞ」は、おふざけが過ぎると思います。

*「放射能をつけるぞ」の発言について、歪曲報道の可能性を感じました。↓下記追記
もはや、鉢呂前経産相ははめられた?



鉢呂経産相:失言 福島「ふざけるな」「くだらない」の声

 「不用意」では済まされない発言が、東京電力福島第1原発を視察したばかりの閣僚から飛び出した。発言の主は原発を所管する鉢呂吉雄経済産業相。今も避難生活を強いられる被災者、原発事故を巡る政府の対応に振り回されてきた自治体の首長らからは「この人には何を言っても届かない」「辞任に値する」との声も上がった。【神保圭作、高橋直純、田中裕之】

 福島県南相馬市の自宅が立ち入り規制中の警戒区域(原発から20キロ圏)内にある主婦、黒沢千恵子さん(41)は、中2と小6の子供と一緒に同市内の警戒区域外にある仮設住宅に身を寄せている。「『死の町』とか『放射能をつける』とか、住民にとっては言ってほしくないこと。子供にもそういう目が向けられていると思うと怖い」と話す。

 第1原発が立地する大熊町から猪苗代町のホテル「リステル猪苗代」に避難している無職、福岡渉一さん(60)は「あそこを見てきたら、まともな街じゃないということは誰でも分かるが、『死の町』とまで言うのなら国はもう住めないと早く宣言してほしい」といらだちを募らせた。

 大熊町から白河市に避難している元畜産農家の池田美喜子さん(52)は原発事故のため廃業に追い込まれた。「肉牛30頭を置いて来ざるを得なかった人の気持ちを全く理解していない。こうした発言が風評被害を拡大させることになるのだろうが、この人には何を言っても届かない」と語った。

 計画的避難区域に指定されている飯舘村の菅野典雄村長は「ふざけるなと言いたい。我々は放射能で何十年も苦しまなければならない状況にある。政治家としてまともに理解しているとは思えない発言で辞任に値する」と怒りをあらわにした。

 原発作業員も憤りを隠さない。大熊町から田村市の仮設住宅に避難中で、第1原発での作業経験がある亀田典夫さん(59)は「原発作業員たちが事故をどうにか収束させようと懸命に働いているのに、開いた口がふさがらない」と話す。現在も福島県外の原発で働いている双葉町出身の男性(24)は「『放射能をつけたぞ』は子供じみていて本当にくだらない。そんな発言をするくらいなら視察に来ないでほしい」とあきれた様子だった。
 ◇民主議員も戸惑い

 鉢呂経産相の発言には民主党議員からも戸惑いの声が上がった。

 福島県出身の山口和之衆院議員(比例東北)は「言葉だけでは判断できない。今、福島は復興に向けて全力で戦わなくてはならない時。揚げ足取りで国会がストップするようなことになってほしくない」と話す。

 古賀一成衆院議員(比例九州)は「責任者として現場に行ってきたことを何か表現したかったのだろうか。こんなことで、もし政権がガタガタするなら日本の政治は世界の笑いものになる」と述べた。【青島顕】

毎日新聞 2011年9月10日 2時30分







【追記】9月10日20:00、このような情報がありました。



マスコミによる閣僚発言の政治主義的歪曲記事報道考: れんだいこのブログ
> 記者「大臣(作業服)、着替えてないんですか」。大臣「今福島から戻ったばかりだ、そんな暇ないよ」。記者「じゃ福島の放射能ついたままですか」。大臣やや怒って、毎日新聞記者に近寄り、防災服をすりつける仕草をした。この時、「それがどうした? 放射能つけてやろうか?」と述べたと報道されている。

> この問題で責められるべきは果たして鉢呂経産相だろうか。どこの記者の発言か定かでないが恐らく毎日新聞記者として、この記者の「大臣(作業服)、着替えてないんですか」、「じゃ福島の放射能ついたままですか」発言の方が問題ではないのか。この記者は何が云いたいのか。防災服のままの姿を咎めたのではないらしい。「じゃ福島の放射能ついたままですか」の方に真意があり、その質問意図こそ詮索されねばなるまい。どういう意味の質問であったのか説明せよ。事と次第によっては、福島の原発被災地民の怒りは、この質問者の方に向かうべきではないのか。



…これは
もはや「放射能をつけるぞ」も余裕でセーフでしょう。
しかも今Google ニュースにてざっとこのニュースを見回してみたのですが、この「マスコミからの問いがあった上での「放射能をつけるぞ」発言だった」と書いてる記事を見付ける事ができませんでした。

これはヒドい。



【追々記】9月11日0:00

辞任しました…。間違ってる。